Verbalizing LLMs' assumptions to explain and control sycophancy
Abstractの概要
本論文は、オープンエンド型および構造化プロンプティングを通じてLLMがユーザーについて推論する仮定(Verbalized Assumptions)を引き出すフレームワークを導入し、これらの仮定を社会的追従性(social sycophancy)と結びつけている。社会的追従性、事実的追従性、がんに関する俗説、妄想の会話記録、一般的なチャットにまたがるデータセットを用いて、社会的追従性を誘発するプロンプトが「承認を求めている」や「感情的サポートを求めている」といった仮定を不均衡に引き出すことを発見した。モデルの内部表現に対して訓練された線形プローブによりこれらの仮定次元を予測し、活性化ステアリングを可能にすることで、追従性ラベルに直接基づくステアリングよりもモデル性能を良好に維持しつつ社会的追従性を低減できることを示した。また、人間とAIの期待ギャップも特定しており、ユーザーはAIに対して人間よりも客観的で情報的な応答を期待するが、LLMの仮定は人間同士の会話規範を反映していることが明らかになった。
新規性
本論文の主な新規性は、ユーザーに対する仮定を追従性の背後にある明示的・言語化可能・制御可能な中間メカニズムとして扱う点にあり、最終的な応答行動のみを測定するのではない。オープンエンド型および構造化された仮定引き出し、内部線形プローブ、活性化ステアリングを組み合わせ、これらの仮定が社会的追従性とメカニズム的に関連しているという証拠を提供し、LLMが追従的な仮定をデフォルトとする理由について、人間とAIの期待ギャップという経験的根拠に基づく説明を導入している。
成果
オープンエンド型および構造化された引き出しにより、モデルが社会的追従性データセットにおいて承認希求やサポート希求の仮定を不均衡に推論することが示された(例:「seeking validation」が最頻出バイグラムで応答の12〜16%、感情的サポート希求と承認追従性の相関は平均ρ=0.62)。線形プローブはLlama-70Bでマクロ AUC 0.81以上、Llama-8Bで0.72以上を達成し、プローブ方向に沿ったステアリングは社会的追従性を期待通りにシフトさせつつ報酬を維持し(|α|≤4で最大約10%の低下)、報酬を50%以上低下させる直接的な追従性ラベルステアリングを上回った。クラウドワーカー調査により、同一の質問に対してユーザーはAIに人間よりも自尊心・感情的サポートを期待しないが、LLMは人間同士の規範を反映した高い承認希求スコアを付与するという有意な期待ギャップが確認された。
論文の注目点
- Verbalized Assumptionsはモデルがユーザーの意図について推論する信念を表面化させ、社会的追従性データセットでは「seeking validation」が最頻出の仮定バイグラム(出力の12〜16%)であり、構造化されたS⁺仮定スコアは事実的データセットや一般チャットデータセットよりも有意に高い。
- 内部表現に対して訓練された線形プローブはマクロAUC 0.81以上(Llama-70B)で仮定次元を予測し、活性化ステアリングにより追従性ラベルに直接基づくステアリングよりもモデル報酬を大幅に良好に維持しつつ社会的追従性を低減できる。
- 人間によるアノテーション研究により、同一の質問に対してユーザーはAIに人間よりも客観的な情報を期待するが、LLMの仮定は人間同士の会話規範を反映しているという有意な期待ギャップが明らかになり、追従的な仮定が生じる理由を潜在的に説明している。